乳牛とは?
 牛乳を生産する牛で代表的な日本の乳牛は、ホルスタイン種、ジャージー種です。
 乳牛はいつも乳が出ると思っていませんか?
 牛乳は本来、子牛を育てるための乳ですから、子牛を産んだ母牛しか乳を出しません。日本の乳牛は99%は白と黒のまだらのホルスタインです。ホルスタインは、乳量が多く、性質が温和、どんな環境にもなじみやすく、特に寒さには強い品種です。こういうことが、日本で飼育頭数が増えた理由だと思います。
母牛になるのは二歳から
 生まれた時の体重は約40kg。250kgくらいになる9ヵ月から、遅くても13ヵ月で発情します。人工授精によって受胎させますが、その時期は13〜16ヵ月、体重350〜400kgぐらいが目安です。妊娠期間は人間と同じ約280日。牛は出産後1ヵ月を過ぎると妊娠が可能になるので2〜3ヵ月で次の受胎をさせます。
 出産後最初に出る乳は初乳といって、たんぱく質が特に多く色も濃く、子牛に免疫を与える特別な牛乳なので飲用には適しません。
 分娩後5日以内の乳は「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」により販売が禁止されています。

 搾乳はだいたい1日2回、最初1日20リットルくらいだった乳量は、2ヵ月後には30〜40リットルくらいと最大量になります。その頃、人工授精で妊娠させます。そして、妊娠5ヵ月くらいから乳量が少しずつ減ってきます。そこで9〜10ヵ月で搾乳を中止し、乳牛の体を休ませます(乾乳)。乾乳の間に、母牛の体力回復や胎児への栄養補給をすることができます。

 乳牛はこうして毎年出産を繰り返し、体重は個体差ありますが、600〜700kg位になります。3〜4産で乳量は最も多くなり、それ以降は乳を出す能力も少しずつおとろえ始め、多くの場合、4〜6産で乳牛としての使命を終えます。

1頭あたりの乳量は平均すると1年で約8000リットルですが、中には15000〜20000リットルも出すスーパーカウと呼ばれる超高能力牛もいます。


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