酪農は今

 近年の北海道酪農は機械化されるのと同時に多頭化、大型化し酪農戸数の減少と糞尿などの環境問題を抱える中、配合飼料の高騰、燃料の高騰、さらに関連生産資材の値上がりにより危機的状況にあります。10年来、コスト削減し努力が吹き飛んでしまいました。もはや、乳価の値上げしか日本の酪農の生きる道は無いと考えます。海外でも牛乳、乳製品は大幅な値上がりをしているのです。それに比べ日本はどうでしょうか?ごくわずかな値上がりに押さえられています。どんどん、酪農家も廃業しています。将来、食糧危機が叫ばれ、食糧自給率を上げなければと言う報道も数多く耳にはしますが、今の日本のやり方や、真の市場原理が生かされているとは思えません。末端にしわ寄せを押しつけている部分が多いと考えます。それは何も酪農に限ったことではありませんが、もっと、国内農業を大事にする国民的理解が必要だと思います。お金さえ出せば外国から食料を自由に輸入できる時代は終わりが近いです。まして、安全で信頼できる物は少々高くても国産に限ると思います。消費者のご理解が頂きたい物です。また、日豪のFTA,EPA二国間交渉やWTO交渉も再開され、酪農のみならず、日本の農業や関連産業、地域の存続まで危ぶまれる状況下にあります。太古の昔から聖なる飲物、食べ物として薬のごとく珍重されてきた牛乳の素晴らしさや完全食品に近い牛乳の能力を正しく理解してほしいと思います。牛乳は命の水なのです。もう一度牛乳、乳製品を見直し、その事を大人は子供に伝えていって欲しいと牛乳を生産する一酪農家として願うところです。2008.9.10

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