3月12日


 6年使ったベストは汚れが染み込み、ほつれも出てきて、かなりみすぼらしい。胸のポケットの中で、液状フロータントがこぼれたり、ドライシェイクの蓋が開いちゃったこともあったなぁ。このベスト着たまま何度泳いだことか。そんなところへタイミングよく送られてきたのが、Dan-Baileyからの通販カタログ。
 ページをめくっていると、あれ、パタゴニアもシムスもベストをモデルチェンジしているぞ。シムスにもちょっと心は引かれたけれど、パタゴニアのポケットの使いやすさが気に入っていたので、やっぱりこっちかなとFAXで注文したのが3月9日の夕方。そして今日が12日。夕方「宅急便でーす」と来たのが注文したベストだった。信じられない速さ!! モンタナからだよ!! 東京に注文したってこんなに早くは来ない。それに、値段はたったの$145!! パタゴニア日本じゃあ幾らで売っているのだろうか?どうせ高いだろうと調べてもみなかった。
 早速、FedExの箱をバリバリと引きちぎって開け、いままでのベストと比べてみた。あれこれ細かく見ていくと、うーむ、よく考えて改良されているなぁ。まあ、フライフィッシング用のベストなんてものは、機能の塊みたいなものだから、使いやすければ使いやすいほど良いわけだが、2代目のベストの改良点を見ると、パタゴニアというメーカーが、釣人の使い勝手を良く研究していることが判って面白い。で、改良点は以下の通り。

 1.これが一番の改良点で、両肩と首の後ろにパッドが入った。今までのベストの最大の欠点は、重いものをポケットに入れると、前にズレたり後ろにズレたり、なんかだらしなくなって落ち着かないこと。これがパッドを入れることによって、大幅に改善されている(と、思う)。強いていえば、汗っかきの私には襟のパッド部が汗で汚れないかが、ちょっと心配。

 2.上部の前後2段になっている左右のポケット。蓋が以前のタイプは前後それぞれに付いていたのが、大きな一枚の蓋で覆うようになっている。近接した2枚の蓋を間違えて開けることがあったが、これなら間違えようがない。それぞれのポケットの入り口部分にはゴムが入り、少し口が絞られるようになっている。今までよりポケットの中身が飛び出しにくくなっているが、といって絞りがそれほどキツイ訳じゃあないから、出し入れが不便てことも無いだろう。6も同じで、ベスト前面のマチの付いた蓋付きのポケットは全て入り口がゴム入りになった。

 3.フォーセップを取り付けられるループが大きくなって上に移動。フォーセップ専用ループは良いアイディアだったけれど、以前のは小さいし場所も悪くて、少々使いにくかった。今度のはいいぞ。

 4.前面下のフライボックスポケットの前に付いているマチ付きポケットが1個、2個の非対称から、左右2個ずつの対象型になった。大きい方の1個だけをゴミ箱に使っていたから、個人的にはここだけが改悪かな。

 5.写真ではちょっと判りにくいけれど、フライボックスポケットのファスナーの長さが変わった。高さの部分、ファスナーの縦になるところが、前の型は下まで全開になったのだが、新型は高さの半分までしか開かない。細かいところだけれど、これは良い。前のベストでは不注意に全開にすると、手前の小ポケットの中身の重さで、前面が下に垂れ下がり、フライボックスが飛び出して落ちる、という事故がときどきあった。夕方のライズを前に、慌ててフライを付け替えてキャストしたとたん、閉め忘れたポケットからフライボックスが水面に落ちて・・・。そりゃ、ポケット閉め忘れるのが悪いのだが、新型ベストなら、そんな時でも簡単に中身が落ちることはないだろう。といって、ファスナーが短くなっても、これなら出し入れが不自由になることもない。ファスナーのつまみに付いているナイロンの薄いテープも、マル紐に替わっている。その結び方もひと工夫あって、これなら摘みやすいし、冬のグローブでも使いやすそうだ。

 背面ではランディングネットなどを付けるための襟の下のナイロンテープのループにDリングが付いた。擦り切れる心配が小さくなったって訳だ。あとは背面は変更はないようだ。

 実際に使ってみての感想は、機会があれば釣行紀などで紹介しましょう。

 さて、今でこそパタゴニアのウェアといえば、街のオニーチャン、オネーチャンのアパレルに成り下がってしまったけれども、グレートパシフィックアイアンワークスの時代からの愛用者としては感慨深いものがある。ショイナード・ブランド(今のブラックダイアモンドと同じマークだった)の最初のウェアはガイドセーターだったかな。あのセーターはガッチリ編まれていて丈夫だった。お気に入りのネービーのガイドセーターを擦り切れるまで着たっけ。あの頃の山のアルバムを見るといつもあのセーターを着ている。その後のクライミングパンツやパイルジャケット(フリースの前身)はクライマーの間で大ヒット。これらは、それまでには全く例を見ない機能的なウェアで、二十数年前の秩父の小川山、廻り目平キャンプ場に集まりはじめたフリークライマーは、みな着ていたなぁ。RURPというとんでもなく小さいハーケンやヘキサナッツを製品化したのもこの会社だったし、金属やグラスファイバーのシャフトが主流になり始めたクライミングハンマーの柄に、木を使ったのもここだった。アレはかっこ良かったよ。なにより打撃が手に響かず機能的だった。
 そんな訳だから私には、ショイナードやパタゴニアというのは機能最優先の、しかもデザインも秀逸なブランド、というイメージが強かった。あのころ輸入していたのはクロスター産業だったと思うが、たしかアメリカの価格の3割増しくらいの価格設定だったように記憶している。それに比べると、今は直営なのにアメリカとの価格差が大きくて割高感が強いな。
 今回のベストの、より機能的なモデルチェンジをみると、パタゴニアという会社が創業者の意志を今でも大事にしていることがよくわかる。たかだか30年ほどで、ハーケンをコツコツ作っていた鍛冶屋が、ここまで大きな会社に成長したのが理解できるような気もするな。

 今回は珍しく、すごい長文駄文でした。いったい最後まで読んでくれた人は居るのかなぁ。管理が面倒くさいので掲示板を設置するつもりは今のところないのですが、このフライのページを読んでいる人、たまには感想のメールでも下さいね。

[ホームへ] [フライフィッシングのトップページへ]